贈与、財産分与による不動産の名義の変更は、所有されている不動産を無償で譲渡す事ですが、ここで注意しなければならないのが税金についてです。譲渡する相手の方がお子様なのか、配偶者の方なのか、または血縁関係の全くない第三者なのかによって、贈与税の金額が大幅に変わってくるからです。通常は不動産のような高額な財産を贈与した場合、200万円~300万円の贈与税は当たり前のように国から請求されます。
贈与によるご名義の変更登記
不動産を贈与する相手の方がお子様の場合、「相続時精算課税制度」という2500万円まで贈与税がかからない制度が利用できます。要件としては不動産を贈与する親御様の年齢が贈与をした年の1月1日において65歳以上で、受贈者であるお子様の年齢が同日において20歳以上である事です。ただしこの制度を利用した場合、110万円まで贈与税が控除される「暦年課税」の制度が利用できなくなります。
また不動産を贈与する相手の方が配偶者の方の場合、2000万円+110万の合計2110万円までかからない「贈与税の配偶者控除」という制度を利用することができます。その要件としてご結婚なされてから20年以上経過している事が必要です。
ただし気をつけなければならないのは、「相続時精算課税制度」「贈与税の配偶者控除」の適用を受けるためには、贈与をした翌年の2月1日から3月15日の間に税務署に申告をしなければなりません。この申告を忘れて怠った場合、通常の贈与税が課税されてしまうので絶対に忘れないようにしましょう。2月のカレンダーに大げさなくらいに大きく赤字で「税務署に申告に行く事!」などと記入しておく事をお勧めします。
財産分与によるご名義の変更登記
離婚に伴う財産分与においては、離婚なさった後に不動産の名義変更をするのであれば、原則として、譲り渡す方にも、譲り受ける方にも贈与税はかかりません。税務署への申告も必要ありません。ただし譲り渡す方は税務署への申告が必要となります。
贈与、財産分与による名義変更は、いずれも契約書を作成すべきです。場合によっては税務署から提出を要求される事もあります。また後日の紛争を予防するためにも証拠として残して置くことをお勧めします。特に贈与は書面によらない場合は原則としていつでも契約を取り消すことが認められています。だからこそ契約書という形で残して置く意味があるのです。
費用について
贈与の登記
66,000円(税込)
※土地1筆、建物1戸の計2筆のよくある一般的な例です。
■追加費用
・3筆以降は1筆又は1戸不動産が増えるごとに
3,300円(税込)を加算
・贈与契約書の作成をした場合
11,000円(税込)を加算
・住所変更登記(※必要のない場合もあります。)
11,000円(税込)
■実費
・不動産の固定資産税評価額に1,000分の20をかけた登録免許税が必要となります。
財産分与の登記
55,000円(税込)
※土地1筆、建物1戸の計2筆のよくある一般的な例です。
■追加費用
・3筆以降は1筆又は1戸不動産が増えるごとに
3,300円(税込)を加算
・財産分与契約書、離婚協議書の作成をした場合
77,000円(税込)を加算
・住所変更登記(※必要のない場合もあります。)
11,000円(税込)
■実費
・不動産の固定資産税評価額に1,000分の20をかけた登録免許税が必要となります。
抵当権の抹消登記
11,000円(税込)
※土地1筆、建物1戸の計2筆のよくある一般的な例です。
■追加費用
・3筆以降は1筆又は1戸不動産が増えるごとに
1,100円(税込)を加算
・抹消関係書類を紛失されている場合
11,000円(税込)を加算
■実費
・不動産1つにつき、1,000円の登録免許税がかかります。
抵当権の抹消に必要な書類が存在しない抹消手続き
55,000円(税込)
※土地1建物1の典型的な例です。
■追加費用
※不動産3筆以降は1,100円(税込)の加算
※住所変更の登記が必要な場合は11,000円(税込)の加算
■実費
登録免許税2,000円
(土地1建物1の典型的な例)
※不動産1筆ごとに2,000円がかかる計算です。
○裁判所の関与が必要な抵当権の抹消手続き
最低報酬66,000円(税込)~
■追加費用
※不動産3筆以降は1,100円(税込)の加算
※住所変更の登記が必要な場合は11,000円(税込)の加算
■実費
登録免許税2,000円
(土地1建物1の典型的な例)
※不動産1筆ごとに1,000円がかかる計算です。
住所変更登記・氏名変更登記
11,000円(税込)
※土地1筆、建物1戸の計2筆のよくある一般的な例です。
■追加費用
・3筆以降は1筆又は1戸不動産が増えるごとに
1,100円(税込)を加算
■実費
・不動産1つにつき、1,000円の登録免許税がかかります。