毎年110万円以下の財産は贈与税がかからない
早いもので令和4年もあとわずかとなりました。12月の年の瀬の時期になると過去に受任した不動産の贈与の案件を思い出します。暦年贈与の制度を利用した不動産の贈与の案件で、祖父から子、孫に贈与を行ったのです。ご存知かもしれませんが、毎年110万円以下の財産であれば贈与税がかかりません。この毎年という期間は1月から12月となっており、財産を贈与する月に限定はなく好きな月に贈与することができます。
12月と1月の財産贈与もOK
例えば令和4年12月に110万円の財産を行い、令和5年1月に110万円の財産の贈与をする事も認められております。この方法の良い点は2ヶ月という短期の間に合計220万円の税金のかからない贈与ができることです。また不動産の贈与を複数の親族に行えば、それだけ早く不動産全体の贈与が完了することになります。なお110万円の贈与を行う場合は、必ず贈与契約書を作成すべきです。契約書を作成しておけば110万円の枠内の財産の贈与である事の証明となるからです。
暦年贈与はデリケート
また110万円の暦年贈与は税金の問題が関与するデリケートな一面があります。贈与の方法や相手によって脱税行為と税務署から判断されてしまう可能性もあります。路線価等をもとにして不動産の価格を110万円以内に計算をする必要もあります。ケースによっては税金の申告が必要になることもあるでしょう。例えば不動産の贈与の際にわずかに110万円の金額を超えてしまうが、その贈与で全ての不動産の移転登記が完了するのであれば、贈与税を支払ってでも贈与を完了させたいときもあるでしょう。不動産の贈与は司法書士に移転登記を依頼する前に、税理士に相談をする事をおすすめいたします。