結婚をすると配偶者の父母・兄弟姉妹と姻族(いんぞく)になります。姻族とは、配偶者の父は舅(しゅうと)、母は姑(しゅうとめ)、兄弟は小舅(こじゅうと)、姉妹は小姑(こじゅうとめ)などと呼ばれる関係のことです。この姻族関係は仮に配偶者がお亡くなりになったとしても継続されます。
あまり知られていないのですが、この姻族関係は配偶者の死亡後であればいつでも解消できます。この姻族関係を解消するための手続きの届出書を「姻族関係終了届」といいます。通称“死後離婚”などとも呼ばれております。平成27年の調査では、姻族関係終了届を提出する件数が増加傾向にあります。その理由としては、“姻族である限り法律上の扶養義務を負うため、その義務から免れたい”“配偶者の父母・兄弟姉妹と険悪である”などがあるようです。
ここでチェックしておきたいポイントが2点ございます。
①姻族関係を解消しても亡くなった配偶者との間にできた子には、配偶者の父母・兄弟姉妹の財産を相続することができる。
※お子さんに関わってくることですので、是非知っておいて頂きたいと思います。
②遺族年金は、姻族関係終了届を提出後も、給付を受けられる。
※ご自身の生活を守る大切な遺族年金。姻族関係終了届を提出しても給付を受けられますのでご安心ください。
その他、苗字については旧姓に戻りたい場合は“復氏届”を提出すれば戻すことができます。
手続きは本籍地またはお住まいの市区町村の市民課で行えます。家庭裁判所などの関与は必要ありません。姻族を終了させる相手方姻族の同意も不要です。
最後まで読んで頂きありがとうございます。ここで私の拙い司法書士経験から一言お伝えさせてください。姻族関係を解消した場合には、解消した姻族との関係は回復できないくらいに険悪なものとなる事が予想されます。姻族関係終了届を提出する前に、よく時間をかけて、よくご検討頂きたいと思います。その結果、「姻族関係終了届」の手続きのご決断をされた際にはご連絡下さい。あなたのお力になれるように尽力させて頂きます。