司法書士の報酬は高い?
司法書士は、不動産登記などの登記をご依頼いただいたお客様から、お見積書の交付を求められることがよくあります。そのお見積書をご覧になったお客様の中には、「司法書士の報酬が高額ですね」と感じられる方もいらっしゃいます。お客様が司法書士の報酬についてどのように感じるかは様々です。ただ、司法書士の報酬が高いというご意見をお持ちのお客様に、共通の誤解があることが少なくありません。
登録免許税とは?
それは、登録免許税についてです。「税」という名称の通り、登録免許税は税金の一種です。登録免許税は、不動産の名義変更や商業登記などの登記に課税される税金です。登記の登録免許税は税率が一律ではありません。不動産登記であれば、登記の原因(登記の理由)によって税率が変わってきます。固定資産税の評価額に税率を乗じて登録免許税を算出します。例えば、土地の売買による所有権移転登記では固定資産税の評価額の1.5%(執筆時点の軽減措置適用時)、贈与による所有権移転登記では2.0%、相続による所有権移転登記では0.4%(一定の条件を満たせば免税になる場合があります。)の税率となっています。
上記の税率だけでは具体的な税額がイメージしにくいかもしれません。そこで、登録免許税の計算をしてみます。固定資産税の評価額が1000万円の土地の所有権移転登記の登録免許税を計算します。
取引形態 | 評価額 | 税率 | 登録免許税 |
売買(執筆時点の軽減措置適用時) | 1000万円 | 1.5% | 15万円 |
贈与 | 1000万円 | 2.0% | 20万円 |
相続 | 1000万円 | 0.4% | 4万円 |
※建物の売買につきましては原則として税率2.0%です。
登記原因(登記の理由)によって、登録免許税が大きく異なることがわかります。ここでは分かりやすくするために固定資産税の評価額を1000万円にしましたが、実際には固定資産税の評価額が1000万円以上の土地も多く存在します。固定資産税の評価額が高額なため、登録免許税が100万円を超えることも決して珍しくはありません。
登録免許税を確認する
もし、司法書士の報酬が高額だと感じられた場合は、もう一度お見積もりをご確認いただき、登録免許税の金額をご確認いただければ幸いです。なお、登録免許税は建物の売買、抵当権の設定登記、相続による所有権移転登記などで、軽減措置がいくつか設けられています。