長い、長い、住宅ローンを完済すると銀行から抵当権抹消の手続きをするための書類が交付されます。ここで「えっ?銀行がやってくれるんじゃないの」と驚かれる方もいるかと思われます。残念ながら銀行は抵当権の抹消登記に必要な書類を交付してくれるだけで、肝心の抵当権抹消手続きは行ってくれません。そして、銀行から預かった書類を法務局に提出するだけでは手続きは進みません。所定の事項を記載した登記申請書を作成する必要があります。
また銀行から預かった書類は空欄の箇所が何点かあり、銀行又は担当者によっては抹消対象の不動産の記載すら済んでないまま書類をお客様に渡すこともあるのです。
当然空白の箇所は記入しなくてはなりません。銀行でローンを組んだ当時(不動産を購入した当時)と現在の住所が異なっている場合は、抵当権抹消手続きの前提として住所変更登記手続きが必要となります。こちらも所定の登記申請書の作成が必要となります。
これらの手続きは、比較的自力で解決できる内容となりますが、専門家に依頼しても安価で済む部類に入ります。1万円~2万円程度が一般的です。調べる時間や法務局へ足を運ぶ時間などを考慮して頂き、依頼した方がトクだなと感じた方は、是非ご連絡下さい。
費用について
土地1、建物1
11,000円(税込)
不動産3筆以降は、1筆ごとに
1,100円(税込)加算
住所変更の登記が必要な場合
11,000円(税込)加算
■実費
登録免許税
不動産1筆ごとに1,000円
※典型的な形ですと“土地1”“建物1”の2筆となり、2,000円になります。
放置してはいけない抵当権の抹消手続き
抵当権の抹消手続きの煩雑さに抵当権抹消手続きを行わない方や、単純に抹消手続きの事を完全に忘れてしまう方が結構いらっしゃいます。抵当権の抹消手続きを行わずに放置してしまうと、登記簿上抵当権が残ったまま何十年と放置されてしまう事があります。このケースで一番問題になるのは、抵当権の抹消に必要な書類を紛失してしまい見つからない事です。長期間抹消手続きがされていない抵当権は、当事者の方が書類を紛失してしまっている事が非常に多いのです。
また抹消手続きを行いたいのに抵当権の抹消義務者に相続が発生している場合もあります。この場合は抵当権の抹消義務者の相続人全員から署名捺印をもらう必要があります。
さらには抵当権を設定した金融機関が消滅していたり、当事者が失踪して見つからない事もあります。こういったケースでは裁判所で訴訟を起こさなければならない事もあるのです。これらのケースが発生した際には、専門家が動いた方がスムーズに事が運びます。