株式会社では、取締役や監査役などの役員に変更が生じた場合、原則として2週間以内に変更登記を申請する必要があります。しかし、実際には役員変更登記を忘れてしまい、何年も登記をしていない会社も少なくありません。
今回は、役員変更登記が必要になるケースや、登記を怠った場合の注意点について解説します。
役員が変わらなくても登記が必要です
株式会社の役員変更登記というと、取締役が辞任した場合や、新たな取締役が就任した場合に行うものと思われがちです。しかし、実は同じ人が引き続き取締役を務める場合でも、登記が必要になることがあります。株式会社の取締役には任期があり、原則として選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結時までとされています。
なお、非公開会社(株式の譲渡制限がある会社)では、定款によって取締役の任期を最長10年まで伸長できます。任期が満了した役員を再び選任した場合には、同じ人物であっても「重任」という役員変更登記が必要になります。特に、役員の任期を10年としている会社では、登記の時期を忘れてしまうことがあるため注意が必要です。
登記を忘れると過料が科されることがあります
役員変更登記は、原則として変更が生じた日から2週間以内に申請しなければなりません。この期間内に登記を申請しなかった場合、会社法の規定により、登記申請を怠った代表取締役などが、裁判所から100万円以下の過料に処せられる可能性があります。過料は刑事罰ではありませんが、会社ではなく代表者個人に科される点には注意が必要です。
なお、登記が遅れたからといって必ず過料が科されるわけではなく、実際に科される金額も遅延期間などの事情によって異なります。
長期間登記をしていない会社は「みなし解散」にも注意
株式会社では、最後の登記から12年間登記がされていない場合、休眠会社として整理の対象になることがあります。法務大臣による公告など所定の手続が行われ、指定された期間内に必要な登記や届出をしなかった場合には、会社が解散したものとみなされ、解散登記がされることがあります。会社が通常どおり営業していたとしても、対象になる可能性があるため注意が必要です。
なお、2026年度については、10月15日に法務大臣による公告が行われています。対象となる株式会社は、12月15日までに必要な登記申請または「まだ事業を廃止していない」旨の届出を行わなければ、12月16日付けで解散したものとみなされます。
役員変更登記を忘れていた場合はどうすればよい?
役員変更登記の期限を過ぎてしまった場合でも、登記申請を行うことは可能です。ただし、長期間登記をしていない場合には、過去の株主総会議事録や定款などを確認し、役員の任期や選任状況を整理する必要があります。場合によっては、複数回にわたる役員の変更について登記手続が必要になることもあります。そのため、登記を忘れていたことに気付いた場合には、早めに司法書士へ相談することをおすすめします。
まとめ
株式会社の役員変更登記は、役員が交代した場合だけでなく、同じ役員が再任された場合にも必要となります。特に、長年同じ役員で経営している会社では、登記の必要性を見落としていることがあります。会社の登記事項証明書を確認し、最後の役員変更登記から長期間経過している場合には、一度役員の任期を確認してみてはいかがでしょうか。
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